では、2つ目のテーマ、家族介護者支援について。
家族介護者の問題には、子育てと介護を同時に担う、
いわゆるダブルケア、家族の介護や看護により離職する介護離職、
高齢者が高齢者の介護を行う老老介護などさまざまあります。
つるが安心お達者プラン7に掲載された資料によると、
介護する側である介護者の年齢は
60代が35.7%、
50代が28.0%、
70代が13.3%とあり、
これらの合計はおよそ77%です。
また、介護のために働き方を調整している人がおよそ55%いらっしゃいます。
今後の働きながらの介護の可否については、
問題はあるが何とか続けていけるが66.8%、
続けていくのはやや難しいが10.7%と、
これもおよそ77%の方が働きながらの介護について問題を感じていらっしゃいます。
介護を必要とする要介護者への支援はもちろん重要なのですが、
それと同時に、家族を介護する側の介護者の負担を軽減するための支援も重要です。
敦賀市が行っている家族介護者支援についてお伺いいたします。
敦賀市では、おむつ券の配付や事業者に日常業務の中で異変を感じた場合に
関係機関への連絡をお願いしたりしています。
具体的にどのようなことを行っているのか、教えてください。
○福祉保健部政策幹(板谷桂子君)
本市における家族介護者支援でございますが、
まず高齢者の総合相談窓口として、
市内3カ所に地域包括支援センターを設置しております。
介護に関すること、介護保険サービス、認知症相談のほかに、
介護者の悩みを含めたあらゆる相談に対応しております。
なお、地域包括支援センターは、来所での相談のほか、
外出が困難な方には御自宅に訪問してお話を伺うこともできますので、
お気軽に相談いただきたいと思っております。
また、在宅介護の継続支援を目的とした事業といたしましては、
紙おむつ等の介護用品の支給を行う家族介護継続支援事業、
要介護4、5の方を自宅で介護されている介護者にし、
寝たきり老人等介護福祉手当の支給を行っております。
また、平成27年度からは、認知症の方や家族の方が交流を図り、
日ごろの介護に関する相談や認知症の対応方法など話し合いをしながら
介護負担の軽減につなげる敦賀つながりカフェを行っております。
○7番(三國真弓君)
ありがとうございます。
介護する側である家族介護者支援の問題についても、
早期発見や対応が重要だと私は考えています。
介護や仕事に追われ時間的な制約が大きいほど、
当事者である方たちのお声が専門機関に届きにくい状況だからです。
窓口は開設されていてもということですね。
現在でも、敦賀市は地域見守り活動の協力に関する協定などアウトリーチ活動
や認知症ほっとけんまち敦賀などのアウトリーチに役立つ活動も行われています。
ただ、これは主に介護を受ける側の要介護者に起こる問題の早期発見等
を主目的としたものです。
これらのアウトリーチ活動を支援を必要とする
家族介護者の発見にもさらに役立てていってはいかがでしょうか。
先ほどお伝えしましたように、
介護する側である介護者の77%が今後仕事を続けられないか
不安を感じているくらい介護による制約を受けているというデータが
敦賀市には既にあります。そのデータを活用して
支援をふやす意向はあるか、お尋ねいたします。
○福祉保健部政策幹(板谷桂子君)
要介護者の支援とともに、介護している家族への支援につきましても、
今後、介護しやすい環境への配慮、
心配りに努めていかなければならないと考えております。
まずは、現在介護者とかかわる身近な方や
介護サービスなどでかかわる関係機関の方は、
今まで以上に介護されている御家族に目を向け、
介護状況や介護者への身体的、精神的状況を把握していただき、
必要なときには市や関係機関と連携をとることなどについて周知を図り、
介護者の支援に努めてまいりたいと考えております。
○7番(三國真弓君)
そうですよね。
皆さんが今何かできることはないかなといろいろと
考えていらっしゃるところだとは思います。
先ほどの御答弁で、介護者の悩みにも対応していて、
かつ御自宅にも行かれるということなんですけれども、
それを知らない方ももしかしたら多いんじゃないかなと思います。
当事者はいろんな悩みがありましても、
例えば親は家族で見てあげることこそが親孝行であるという固定観念があれば、
介護のつらさを身近な人にもなかなか相談できず、
まして他人様である行政にわざわざ電話をするほどではないと遠慮しがちです。
そういった方のお声を窓口ありますと待つだけではなくて、
アウトリーチという出向いて手を差し伸べる
という支援の仕方を家族を介護する側である介護支援者にもできないでしょうか。
例えばアイデアの一つとして、明石市では来年度からアウトリーチで、
おむつ宅配を始めます。これは介護者支援ではなくて産後ケアとしての事業なので、
乳児の家に1カ月に1回、業者にお願いしておむつをワンパック届ける事業になるんですが、こういう相談を待っているのではなく各御家庭に出向くアウトリーチをすることによって、隠れている相談がないか、お困り事がないか早期に気づくことができ、
支援につなぐことが目的となっています。そうすることによって、
虐待などの悲しい事態を防ぐというのが目的です。
これの私がいいと思うのは、ただ訪問するだけではなくて、
プレゼントを持っていくことです。
こちらの様子を見に来られるのかと思うとちょっと身構えてしまうんですが、
プレゼントがあることによって急にうれしい訪問となりまして、
会話も生まれやすくなります。
東近江市などでも既にこれは実現されている事業で、
担当者によれば、おむつもそうですが、お母さん方からは、
乳児を抱えて家を出るのが大変なため、持ってきてくれることや、
会話ですね、乳児を連れて出かけるというのもなかなかできないので、
宅配の方が来てくださって会話を楽しみにされているというお声が多いようです。
この事業を敦賀市では介護する側の介護者支援に活用するのはいかがかなと思いました。
ちょうどおむつ券を配付もしていると思いますので。
明石市などでは、おむつなんですけれども、おむつでなくてもいいかなと思います。
おまんじゅうなどでもいいと思います。予算を下げることができるので。
話をすることは、支援につなげられるだけでなく、
悩みというのは話していくうちに前向きになって心が楽になったり、
解決の糸口が見えてくることも多々あります。
また、練馬区では、これは高齢者に対するアウトリーチで、
訪問する支援を行っています。これは介護サービスを利用されていない高齢者の御自宅に専門家が声をかけて回るものにはなります。
ただ、これも待ちの姿勢ではなく、出向いていくアウトリーチによって介護サービスにつなげられたケースも1700件ほどあったようです。
さらに、訪問をボランティアの方々につなげるケースもあります。
練馬区では200名ものボランティアが登録されており、
主に70代の比較的時間があり
元気な方が買い物がてらに顔を見に行くわと率先して訪問されているそうです。
また、地域の集まりに来るよう回覧板などで告知をするだけよりも、
訪問して声をかけて回ったほうが4割も会合などに参加者がふえたそうです。
敦賀市でも認知症カフェ、敦賀つながりカフェなど、
介護する側である介護者が集まっ
て話し合える場はあります。
そういう場へつなげられるよう、訪問して一度来てみないと
個別でお誘いして回る価値はあるのではないでしょうか。
見解をお伺いいたします。
○福祉保健部政策幹(板谷桂子君)
議員御提案の個別に高齢者の方の御自宅を訪問して
声かけをする活動についてでございますが、
ボランティア等による訪問活動は、
訪問対象となる世帯の個人情報やボランティアがいるかどうか等の問題もあり、
現状難しいのではないかと考えております。
介護者支援につきましては、現在、
関係機関や専門家からの御意見等をいただきながら長寿健康課を中心に検討、
協議を行っているところでございます。
まずは相談場所の周知に努めてまいりたいと思っております。
○7番(三國真弓君)
ボランティアなので個人情報を守ってくださいということがあっても、
どこまでそれを守らせることができるのかなどはどこでも
ある問題ではあるかと思うんですけれども、
いろんな準備をされていて、ただ待っているのではなくて、
困っている方に届くようにアウトリーチで出向いていくという
ところがさらにふやしていったらいいのかなと思っています。
今悩まれている方のためにも、これから先のためにも、
みんなの関心が高まっているこのタイミングで、
すぐにでもまずは一歩を踏み出していく必要があると考えます。
大きな衝撃のあった今だからこそ、
誰もが何か自分にできることはないかという思いに駆られています。
ただし、個人でできることは限られています。
これこそ福祉として行政で動いていく課題ではないでしょうか。
このタイミングを逃さず、
練馬区のように登録ボランティアを募集し直すなど、
個人情報を守る研修をしっかりするなどして
民間の事業や個人が動いていくために行政が率先して動いていくときではないでしょうか。
今すぐにベストな形が見つかるとは限りません。
それでもみんなが安心して助け合って生きていけるようなシステムをつくるために、
まずはその一歩としてできるところを見つけ、
踏み出していっていただきたいと思います。
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