発言通告書に沿って質問させていただきます。わかりやすい答弁をお願いいたします。
まず1つ目のテーマ、通学区の見直しについて。
現在、敦賀市の公立小中学校では通学区が指定され、原則として指定された学校に通学
するものとされています。しかし、市民のさまざまなニーズに応えるためには、学校選択
制の導入、指定学校の変更要件の追加、指定要件中その他による変更をする場合の基準の
明確化など、より柔軟に学校を選択できるようにすべきと考えます。
それらを踏まえ、1つ目の質問に入ります。
学校教育法施行令第5条により、市町村教育委員会は、就学校の指定に当たり、あらかじめ通学区域を設定し、それに基づいて指定を行っています。また、学校教育法施行規則第32条第1項目により、この指定に先立ち、あらかじめ保護者の意見を聴取することもできることとなっています。
以上を前提として御質問します。現在、敦賀市教育委員会では、特認校制を除き、就学
校の指定に先立ち保護者の意見を聴取する、いわゆる学校選択制の導入を検討したことは
ございますか。
○教育長(上野弘君)
では、議員の御質問にお答えいたします。
学校選択制の導入については、昭和59年の臨時教育審議会において、一部の委員から教
育の自由化論として導入を主張したことを発端に議論が始まり、文部科学省は平成9年に
通学区域の弾力化を促す初等中等教育局長通知を出しました。
その後も中央教育審議会等において導入についての議論を重ねられ、平成15年に文部科
学省は学校教育法施行規則の一部を改正し、初等中等教育局長通知で学校選択制を導入す
る際の具体的手続に関する方針を示しました。これにより各市町教育委員会での導入が可
能となり、全国的に学校選択の導入が広がりました。
しかしながら、平成23年の東日本大震災を機に地域と連携した学校づくりの重要性が再認識され、学校選択制について廃止を含めた見直しをする動きもあります。
敦賀市では、これまで学校選択制を導入したことはありません。
○7番(三國真弓君)
では、続いての質問です。
現在、敦賀市においても、あらかじめ通学区域を定め、それに基づいて就学校の指定を行っています。この通学区域は誰がどのような手順で設定をするか教えていただけますで
しょうか。
○教育長(上野弘君)
学校教育法施行令第5条第2項に「市町村の教育委員会は、当該市町村の設置する小学校または中学校が2校以上ある場合においては、入学期日の通知において当該就学予定者の就学すべき小学校又は中学校を指定しなければならない」と定められており、本市としては、法に従い、教育委員会が通学区域を設定しています。
なお、通学区域の新設または変更等が必要になった場合には、通学区域審議会に諮問し審議をいただいた後、新設または変更することになっています。
○7番(三國真弓君)
わかりました。初めに通学区が敦賀市において設定されたのはいつごろでしょうか。また、学校の開校、統廃合以外で通学区の検討や変更を行ったことはありますでしょうか。
○教育長(上野弘君)
先ほど申し上げました学校教育法施行令が定められたのが昭和28年であります。当時、敦賀市内には小学校、中学校ともに複数存在しておりましたので、そのころから通学区はあったのではないかと推測されます。
学校の開校、統廃合以外で通学区の検討や変更につきましては、ここ10年間では行った
ことはありません。
○7番(三國真弓君)
わかりました。昭和28年以来、統廃合以外では変わってはないと
いうことですね。
では次、進学により生徒が分断されてしまう西小学校について質問いたします。一般的に小学校を卒業すると、そのままみんなで同じ中学に進学するよう指定されてい
ます。しかし敦賀市の西小学校は、卒業とともに生徒たちが2つに分断されるだけでなく、人数的にもかなりアンバランスな配分になっています。ここ最近のデータを拝見しましても、西小学校の生徒のうち、およそ7割は松陵中学校に就学することになりますが、残りの3割が気比中学校に行くことになります。その年によりますが5人にも満たない年もあったようです。
そんな少人数で新しい中学校に行くことになる児童からは、寂しい、心細いという不や、既に卒業された多くの方からも、寂しかった、少なくてすごく嫌だったというお声もあります。これは西小学校と進学先の中学校の通学区域が一致しないことが原因で起きていることですが、通学区域の見直しを行う予定はありますでしょうか。
○教育長(上野弘君)
通学区域は、地理的状況、地域社会がつくられてきた長い歴史的
背景などの地域の状況を踏まえ定められているものであります。
本市の全ての中学校は、複数の小学校区から児童が入学し、学校生活を送ることになります。このことから本市では、平成28年度から小学校のうちに同じ中学校区の児童が集まり合同授業や交流を行う小小・小中連携交流授業を実施しており、中学校生活への不安解消につながる取り組みを進めています。
敦賀西小学校は、行政区によって違う中学校に通うことになる児童がいますが、現在のところ中学校の通学区域を変更する予定はありません。
○7番(三國真弓君)
今おっしゃいました小学校から中学校に上がるときの大きな環境の変化を中1ショックといいますが、これは不登校やいじめの原因にもなり得ると言われるものです。子供たちにとって友人関係が分断されるのは大きな環境の変化となります。
それもあって小中連携の対策をとられているわけですけれども、それでもやはり、なじめなくてつらいと声に出るようになってからの建て直しになっていきますと困難になりますので、なるべくそういう事態にならないよう、今までの方法にとらわれず寄り添っていくべきだと思います。
今、西小学校についてお聞きしましたが、西小学校に限らず小学校と中学校の通学区域が一致しない地域においては、隣接区域選択制などの学校選択制もございます。そちらの導入を御検討いただけませんでしょうか。
○教育長(上野弘君)
現在のところでございますが、敦賀市PTA連合会の皆様や校長会で通学区域の見直しについて話題に上がったことはございません。
このことから、現状では通学区域の変更ということについて、また議員が御指摘いただいたようなことについては考えておりません。
○7番(三國真弓君) わかりました。
文部科学省は、就学に関する事務の適正化について。添付資料3ページ1行目です。資
料中、中略の部分も読み上げていきます。 2、就学校の変更を相当と認める場合の要
件及び手続の公表について。
就学校の変更については、学校教育法施行令第8条において、「市町村の教育委員会は、就学校の変更を相当と認める場合の要件及び手続の公表について、学校教育法施行令第8条において指定された就学校について、保護者の意向や子供の状況に合致しない場合等において、市町村教育委員会が相当と認めるときには保護者の申し立てによる市町村内のほかの学校に変更することができること」ともされています。
この保護者からの就学校の変更の相談件数を過去3年分、教えてください。
○教育長(上野弘君)
相談内容が多岐にわたること、また相談先が教育委員会だけではなく各学校となることもあるため、正確な相談件数を把握することは困難です。
指定学校変更が必要となった場合には、学校教育法施行令第8条に基づき、保護者から
指定学校変更届を提出していただき、指定学校の変更を決定しています。
実際に指定学校変更を決定した件数は、平成28年度から平成30年度までの3年間で延べ
397件となっています。
○7番(三國真弓君) ありがとうございます。3年間で延べ397件でよろしいでしょうか。結構な数だなと思いました。
続いて、添付資料1をごらんいただけますでしょうか。
敦賀市は、敦賀市公立小中学校の指定学校の変更要件をホームページで公表しています。これには、留守家庭、最終学年、特別支援教育、転居、新築、教育的配慮、複式学級、
兄弟姉妹、その他の9つが書かれています。
一方、添付資料3ページをごらんください。
文部科学省は、「学校教育法施行令第8条に基づく就学に関する事務の適正化等について」という通知において、就学校の変更が認められてよい事由として、いじめへの対応、通学の利便性などの地理的な理由以外に、部活動等学校独自の活動等を示しています。
文科省が例示する部活動等学校独自の活動等が敦賀市が定める指定学校の変更要件には含まれていませんが、含めるべきだと考えます。部活動等学校独自の活動等を指定学校の変更要件として定めることについて、見解をお聞かせください。
○教育長(上野弘君)
部活動を理由とした中学校選択についてお答えいたします。
例えば柔道部を例にとりますと、粟野中学校、松陵中学校には柔道部はありますが、気比中学校や東浦中学校には柔道部はありません。柔道部に入りたいという理由での指定学校変更を認めることで、粟野中学校や松陵中学校のような部活動数が多い大規模な学校に生徒が移ってしまい、もともと部活動数の少ない小規模校はさらに生徒数が減り、部活動の運営において学校間の格差が生じることが懸念されます。
そのため、敦賀市としては部活動等を指定学校の変更要件とすることは考えておりません。
○7番(三國真弓君)
では、学校の運営のために子供たちの学びをちょっと我慢してもらうという形になるのでしょうか。
文部科学省は、これまでに何度も就学校の変更が認められてよい事由として部活動等学校独自の活動等を示してきていると述べています。つまり何度も部活動等学校独自の活動等を就学校の変更事由にしてよいと強調してきているということです。子育て日本一を目指す敦賀市としては、当然に取り入れるべきものと考えます。
保護者からの就学校の変更申し立てを受けて就学校を変更した理由のうち、添付資料1ページ、一番下にありますその他に該当する件数を過去3年分、教えてください。
○教育長(上野弘君)
指定学校変更の理由をその他としている件数は、平成28年度時点で前年度から継続している件数を含めて8件であります。平成29年度は新たに3件がその他の理由で指定学校を変更しており、平成30年度は新たにその他で変更したものはございません。
○7番(三國真弓君)
では、その他に該当する件数があったということで、添付資料4にありますが、文部科学省は、閣議決定の趣旨に沿って、就学する学校の指定の変更が相当と認められる具体的な場合をあらかじめ明確にして公表するよう求めています。その他に該当する事例をお尋ねいたします。
○教育長(上野弘君) 本市では、学校教育法施行規則に定める指定した小学校、中学校
又は義務教育学校を変更することができる場合の要件として、小学校1年生から6年生で、お子様の帰宅時に留守家庭となる場合で、祖父母等宅から該当地区の学校に通学を希望
する留守家庭や、指定学校に特別支援学級がなく、最寄りの学校の特別支援学級に通学す
る特別支援教育等の8区分を公表しております。
ただし、御家庭の事情等のこれら8区分に当てはまらない事由であっても、その他とし
て教育委員会が相当と認めることがありますが、先ほど答弁した部活動は、その他には該
当しません。
その他の具体的内容については、御家庭等のやむを得ない事情となっており、個別に公
表することは控えております。
○7番(三國真弓君) 控えるということで。
文科省は、行政の最高機関である閣議決定の趣旨に沿って、就学する学校の指定の変更
が相当と認められる具体的な場合をあらかじめ明確にして公表するよう求めています。公
表しない場合、就学校の変更がある人は認められ、ある人は認められないようになるなど
不平等になる可能性が高いため、公表すべきです。
プライバシーということですが、名前や学校の公表など個人を特定できるものはもちろ
ん必要ありません。特定できないように配慮して公表することによって、今まで認められ
ることを知らずに諦めさせてしまってきたような不公平なことを避けることができます。
子供たちの学ぶ権利を尊重するためにも、公表はしていただきたいと思います。
保護者からその他に該当する理由で就学校変更の相談があった場合に、その保護者に対
して転居や新築などの理由での就学校の変更を勧めるようなことはしていませんか。
○教育長(上野弘君) 指定学校の変更に係る御相談に対しては、お子様の状況等を伺い
ながら、教育委員会が定めた要件に照らし合わせて丁寧に確認させていただいております
。教育委員会が定める8区分に該当しない事由での御相談についても、お子様の状況等を
お伺いしながら対応しております。
希望される学校へ就学するために、教育委員会から転居や新築などを勧めることはあり
ません。
○7番(三國真弓君)
転居や新築などをするよう求めているという話を以前お聞きしたことがありますが、実際はしていないのであればよかったです。転居や新築を条件にしてしまいますと、相談者に過度に経済的な負担を求めるものであり、また当該児童にも居住環境の変更という大きな環境変化を与えてしまいます。転居を勧めるのではなく、その他の理由での変更を認めるべきですが、その他の理由として変更されているということでしょうか。
○教育長(上野弘君)
先ほども答弁させていただきましたけれども、その他のことにつきましては公表は控えております。
○7番(三國真弓君)
では、2019年6月25日、令和元年第4回定例会、第2号、本文に
おいて教育長は、福谷正人議員からの、角鹿小中学校の学校で学びたいという思いのある親御さん、お子さんが出たときにどういうふうに対応されていく。現状どうなのかということで方向性でも結構です。どのようにお考えなのか伺いたいと思いますという質問に対して、「各御家庭から御希望があったという場合でございますけれども、現段階でございますけれども、本市が定める指定校学校変更要件に沿って対応していきたいと、このように考えております」と回答されています。
福谷議員が出したケースは、明らかにその他に該当する場合です。敦賀市公立小中学校の指定学校の変更要件のその他の理由に該当する件数が過去3年間で11件となるというこは、実質、そこの学校で学びたいという保護者、子供の要望がほとんど考慮されていないように考えられます。
敦賀市公立小中学校の指定学校の変更要件については、改定が必要と思われます。指定学校の変更要件の改定について、敦賀市の見解を教えてください。
○教育長(上野弘君)
敦賀市教育委員会といたしましては、現在のところ、文部科学省が例示する、例えばいじめ等児童生徒の心身の安全に係る項目も指定学校の変更要件に入れており、さらには御家庭の個別の事情により事前に相談いただける仕組みも整えていることから、敦賀市公立小中学校の指定学校の変更要件を改定することは考えておりません。
○7番(三國真弓君)
改定についても検討されないということで、閣議では、児童生徒の学びを尊重するため、通学区においてもなるべく保護者などの意向を酌んでいくようにと決まって通達されており、敦賀市では実際に市民からの相談のお声も多くあります。時代の流れとしても柔軟に対応していく流れの中、現段階において敦賀市は
・隣接区域選択制は検討しない。
・その他に該当する件数はほぼなし。
・その他の事例について公表して公平性を保つ意向はなし。
・指定学校の変更要件の改定も検討しないと御回答いただけました。
こちら間違いありませんかね。
導入を検討しない理由としてあるかと思うんですけれども、ほかの市町でもそういった検討があります。
教職員の負担を増やさないためにというものなども例えばありまして、既に実行されている品川区や大阪市など幾つかの市町に問い合わせましたところ、教職員というより教育委員会の仕事は、保護者へのアンケートや定数があふれた場合の調整などでふえることもあるとお聞きしています。
それよりも、むしろ
・各校の特色を出すため教職員が仕事を工夫するようになった、
・保護者対応が変わった
などのメリットをお聞きしています。
学校ごとの生徒数がばらけないためというのもありますが、これは定員を設けて抽せんで対応しているようです。とはいえ、ほとんどの保護者が自宅から近い指定校に進学するため、抽せんが必要になるような学校もごく一部だとお聞きしています。
地域のつながりを大事にするためというものもあります。そういうお声もよく上がるようですが、学校は本来、地域のためにつくられたものではありません。学校は児童生徒の学びの場を提供するための場です。結果的に地域のつながりに貢献することはあるとしても、地域のつながり確保のために児童生徒の学びの機会をなくしてしまうのは本来の学校の機能からは異なります。
予算の問題としても、予算のかからない範囲でするのであれば、学校選択制の導入まではいかなくても、現在の指定校変更の要件を緩めることで柔軟に対応することはできます。
国全体の方針を決める閣議におきましても、児童生徒の学びを確保するため、通学区においては柔軟に対応していくようにと決まり、通達されています。
また、東北大学、大森不二雄教授によれば、友人関係、通学距離など個人的事情を選択理由にする価値、意思を否定することは不当としています。
児童生徒の表面的な理由にとらわれず、指定校ではないところに行きたいという意思を尊重されていく時代ではないでしょうか。
全国的に調査はされていますが、敦賀市において実際どれだけの児童生徒や保護者が通学区の見直しを求めているか把握されていますでしょうか。
閣議決定では、先ほども申しましたが、「学校選択制の導入の是非について児童生徒や保護者を含む地域住民の意向を十分に踏まえた検討を行うよう求める」ともあります。市民の声を反映するためにも、学校選択制の導入や変更要件の改正について賛成や反対の意見をアンケートしてみてはいかがでしょうか。
○教育長(上野弘君)
現在のところ、先ほどもお答えさせていただきましたけれども、敦賀市PTA連合会の皆様や校長会で通学区域の見直しについて話題には上がっていないため、アンケートを行うことは考えておりません。
また、県内9市では学校選択制の導入はございません。
これにつきましては、通学区域につきまして、地理的状況、地域社会がつくられてきた長い歴史的背景等の地域の状況を踏まえて定められているというふうに認識しております。
ただし、個別の相談があった際には、これまでどおりお子様の状況等を伺い、丁寧に対応していきたいと考えております。
○7番(三國真弓君)
わかりました。PTA連合会からは声は上がっていないということですけれども、私には声が複数届いています。
アンケートをとらずとも、全国の市区町村の調査では6から8割、それ以上の選択できるようになるの賛成の意見が出ています。国も通学区について、児童生徒、保護者等の意向を十分に配慮するよう求めています。
通学指定校における変更要件の改正は、予算をかけずにできる環境改善になります。子育て環境日本一を目指す敦賀市として、今後検討していっていただけることを強く願います。
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